
はじめに
今回は、ダイナミックプラスが提供する「ダイナミックプライシング」および「個席需要分析」を活用いただいている株式会社セレッソ大阪 カスタマージャーニー部 チケットグループ グループ長小林 誠司 様にお話を伺いました。
チケット販売の現場では、担当者の経験や感覚によって価格設定や販売戦略が決定されるケースも少なくありません。
そのような中で、データを活用した価格運用や個席分析にどのような価値を感じていただいているのか、導入の背景や実際の運用についてお聞きしました。

Q. ダイナミックプライシングを導入した意義をどのように感じていますか?
私たちはチケット販売を単なる販売業務ではなく、クラブ価値を高めるための重要なマーケティング活動の一つだと考えています。
マーケティングには「Product(商品)」「Place(流通)」「Promotion(販促)」「Price(価格)」という要素がありますが、スポーツ業界ではこれまで価格について深く議論される機会が多くありませんでした。
一方で、流通小売業界等一部の業界では価格は非常に重要な経営テーマとして扱われています。
ダイナミックプライシングを導入したことで、「なぜこの価格なのか」「本来の価値に対して適正な価格になっているのか」といった議論がクラブ内で行われるようになりました。
また、チケットを一つの商品として捉えたときに、その価値をどのように価格へ反映するかを考えるきっかけにもなっています。
価格設定の根拠をデータで説明できるようになったことで、経営層や他部署とも共通認識を持ちながら議論を進められるようになり、納得感のある意思決定につながっていると感じています。
感覚ではなく、論理的な根拠をもって価格運用ができるようになったことが、最も大きな変化だと思います。

Q. ダイナミックプライシング導入によってどのような変化がありましたか?
これまでは販売状況を見ながら経験則で判断する場面もありましたが、現在は価格変更の判断材料としてデータを活用できるようになりました。
また、価格だけでなく販売速度や需要動向も継続的に確認するようになり、チケット販売をより戦略的に運用できるようになったと感じています。
また、経営層や他部署に対しても価格変更の理由を説明しやすくなり、チケット価格に対する社内の納得感も高まったと感じています。
Q. ダイナミックプライシングを運用する中で新たに見えてきた課題はありましたか?
ダイナミックプライシングによって価格最適化を進める中で、
「席種単位ではなく、座席単位で価値を考える必要がある」
という課題が見えてきました。
同じ席種でも需要には差があり、その違いをより正確に捉える必要性を感じるようになりました。
Q. 実際に、その課題を受け、個席需要分析の結果をご覧になった際の印象を教えてください
「担当者が頭の中で描いていた座席価値が、そのまま可視化された」
率直に言うと、その一言に尽きます。長年の販売経験から感じていた需要の差が、定量的なデータとして表現されており、非常に納得感のある結果でした。
Q. 個席需要分析はどのような効果がありましたか?
これまでは担当者の経験として存在していた知見を、組織全体で共有できるようになったことが大きな成果です。
分析結果があることで、経験の浅いスタッフや他部署とも共通認識を持ちながら議論できるようになりました。

Q. 今後のチケット販売において重要だと考えていることは何ですか?
チケット販売を単なる販売業務として捉えるのではなく、
クラブ価値を高めるための重要な戦略領域として考えることだと思っています。
価格設定や座席設計を含めて、より高度なチケッティングを実現していきたいと考えています。
Q. スポーツ業界のチケッティングについてどのように考えていますか?
スポーツ業界ではまだチケッティング領域の知見が十分に蓄積されているとは言えません。
だからこそ、価格運用や需要分析を含めた新しい取り組みに挑戦しながら、チケット販売の可能性を広げていきたいと考えています。

さいごに
ダイナミックプライシングの導入は、単なる価格変更施策ではなく、チケットの価値を改めて見つめ直すきっかけとなりました。
価格をデータに基づいて議論できるようになったことで、チケット販売担当者だけでなく、経営層や他部署も含めて「チケットの価値」について共通認識を持ちながら意思決定を進められる環境が生まれています。
また、ダイナミックプライシングの運用を通じて見えてきた課題に対し、個席需要分析を実施したことで、担当者の経験や感覚として蓄積されていた知見を可視化し、組織全体で共有できる資産へと変えることができました。
スポーツビジネスにおいてチケットは重要な収益源であると同時に、クラブの価値を表現する商品でもあります。
ダイナミックプライシングから始まった取り組みは、価格最適化にとどまらず、チケット販売そのものを見直すきっかけとなりました。
そして今、その視点は席種単位から個席単位へと広がりつつあります。
データと経験を組み合わせながらチケットの価値を高めていくこと。
それは単なる価格最適化ではなく、クラブ価値そのものを高めていく取り組みでもあります。
ダイナミックプライシングから始まった挑戦は、今後のスポーツ業界におけるチケッティングの進化につながっていくのではないでしょうか。
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