【ダイナミックプライシング 野球事例】38,500席が1席単位で15分ごとに価格を変える。次世代チケット販売システム④

本日は、弊社がプロ野球の福岡ソフトバンクホークス様に向けて提供している38,500席が15分毎に1席単位で価格を変えるという、次世代のチケット販売システム実現の裏側について、このプロジェクトに関わった人たちの視点に分けて合計4編でお届けします!

今回は、最終回の第4回でデータサイエンティストが作成したモデルを実際に各チケットプレイガイド様に提供するシステムを築いたシステムエンジニアの川島さんにお伺いしました。

Q.今回のチケッティングシステムにシステム部としてどのように関わりましたか?

まずホークス様の新システムを作成するにあたり、販売実績を取り込むという考え方自体は従来と変わってはいません。

その上で会社としては複数プレイガイドが販売しているチケットの値付けをして更新させると言うのが今回が初めてです。

従来の顧客であるプロ野球チームやサッカーチーム様にダイナミックプライシングを導入していた時は1社のプレイガイドさんとの連携に留まっていました。それが今回は複数のプレイガイドにダイナミックプライシング技術を初めて導入したということですね。

実際の作業では興行主様に加え、各プレイガイド様、票券会社様と関わりました。

Q.従来の単一プレイガイドとの連携から複数プレイガイドとの連携になったとのお話しですが、困難な点が多かったのではないのでしょうか?

考え方としては難しくはないですが、作業としては大変でした。

まずは変換表という各社さんが表すコード、つまり席種や試合を一個ずつ表すイベントコードというものが各社各様でした。異なるイベントコードでも各プレイガイドにとっては同一の席は同一の価格を提供しなければいけません。

実際には変換コードを各チケットプレイガイド様で統一化を図りましたが、その実用はできませんでした。なので、弊社が逆に各社さんの変換表を集め、価格を反映する時はその各社さんのコードを基にして反映するというマップを手作業で一生懸命に作成しました。

つまり、考えとしては、弊社が出したコードを各社に対してコード変換して渡しているだけになります。

Q.販売開始価格はどのように定めるのでしょうか?

チケットの抽選販売期間における各席種への抽選応募数を弊社が独自に作成した人気度指標による数値に換算し、フレックス価格(試合ランクに応じてホークス様が決定した価格)に人気度を反映させた販売開始価格を算出しています。

Q.最後に、このシステムを使ってどのようなことに生かしたいのかをお伺いしたです。

今回のシステムの特徴はプロ野球で複数プレイガイドに対応したことです。今後はこれを契機にして音楽興行や演劇にDPを導入する際にはプレイガイド以外に複数の興行主・プロモーターとの連携が想定されます。

ですので従来の1体1の関係、すなわち今回のホークス様の新システム導入前の状態からマルチベンダーを目指せる仕組みを作れたらいいと考えています。

本日は、このプロジェクトにシステムエンジニアとして携わった川島さんからお話を伺いました。ありがとうございました。

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