【ダイナミックプライシング 野球事例】38,500席が1席単位で15分ごとに価格を変える。次世代チケット販売システム②

本日は、弊社がプロ野球の福岡ソフトバンクホークス様に向けて提供している38,500席が15分毎に1席単位で価格を変えるという、次世代のチケット販売システム実現の裏側について、このプロジェクトに関わった人たちの視点に分けて合計4編でお届けします!


今回は、第2回で福岡ソフトバンクホークス様や各チケットプレイガイド様と関わられた営業戦略部の星野さんにお話を伺います。

今回インタビューに応じてくださった営業戦略部の星野さん

Q.福岡ソフトバンクホークス様への今回のシステム導入経緯をお聞かせください

もともとホークス様は2017年のシーズン後半からDPを導入していただきまして、2018年シーズンから2019年シーズンに至るまで徐々にDP対象席を拡大していきました。

最初に導入した時はそもそもファンの方に受け入れてもらえるのか、価格変動が分かりにくくないのかといった課題がありました。後に規模をどんどん大きくしたうえでファンの方に受け入れられるのか、また効果があるのかを3年かけて測定しました。

その上で2020年シーズンから全試合全席で導入したいという話を頂き、今回の導入まで至りました。

Q.今回のシステム導入に際してビジネスサイドとしてどのように関わられましたか?

「なぜ導入したいのか、どういう風に実現したいのか」というヒアリングをすべて担当しました。

ホークス様が作り上げたいチケッティングシステムに対し、我々がどのようにサービスを提供していくかというのを非常に細かく設定していきました。

ここまで細部まで詰めたのは全試合全席1席単位でのDP導入は日本初の事例であったからです。

やったことのないことに対して考えうるリスクをすべて洗い出し、そのリスクを極力減らすためにはどのようなことをすべきかを考えてホークス様と合意をとりました。

また、ホークス様から伺った要望を最終的に数式に落とし込むデータサイエンティストに対して、こういう仕組みを作りたいという設計の作成や、データを扱うビジネスなのでどのようにしてデータを受け取りどのように返すのかというのも設計しました。

どのようなモデルやアルゴリズムを作成するのはデータサイエンティストと行い、データの流れに関してはシステム部と連携しました。

 
真剣な顔つきで仕事に取り組む星野さん

Q.最後にこのチケットシステムを用いて業界全体において達成したいことをお聞かせください

ホークス様は今回大きなリスクがあるながら全試合全席でのダイナミックプライシングを導入して頂きました。これに効果が出ると分かるとパ・リーグで広がると考えられます。また、パ・リーグで効果が見られるとこれがプロ野球界全体、敷いては他のスポーツ業界で広がる可能性があります。

その上で野球の例になりますと、1つ目に「日本球界が世界からスター選手が集まる場にしたい」というのがあります。

そもそも日本の野球選手がメジャーに行く理由として、
①レベルの高いとこでプレイをしたい
②給料が高いとこに行きたい

に集約されると思います。

プロ野球がビジネスとして今よりも売上が向上した場合、アメリカのスター選手が日本に来てもいいと思いますし日本のスター選手が海外に行くこともなくなると考えられます。

 

このように最終的には日本球界が世界最高峰のプロ野球リーグにしたいという想いがあります。

2つ目に「スポーツ業界に携わる人全体を盛り上げていきたい」というのがあります。

そもそもスポーツ業界というのは現状、給料よりもやりがいを重視して働く人が多い会社です。

一方で、海外のMLB経営者は億単位で給料をもらっています。その上でビジネスの領域でいい結果を出すとスポーツ選手と同様に他の球団に引き抜かれる世界が存在しています。

つまり、やりがいを満たしつつ給料ももらえるというスポーツ業界が成立しているということです。

このような世界にならない限り、日本の野球界はやりがいだけの仕事場になってしまいます。日本のスポーツ産業に関わる人全員が、やりたいこともできるしお金ももらえる世界であるべきだと自分は考えています。

本日は、このプロジェクトにビジネスサイドから携わった星野さんからお話を伺いました。ありがとうございました。

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