最新プライシングニュース vol.14

本日も世界の最新プライシングニュースのお届けしたいと思います!

では、さっそく以下の3本を紹介したいと思います。

1. 自然の価値を貨幣換算すると?

今週の1本目は記事ではなく、とある研究結果からの紹介となります。 

マルクスからケインズまで多くの経済学者は資本を「生産手段」とそれを利用する「人間の能力」とに分けて考えましたが、これら全ては万物が依拠する自然という一番重要な要素を無視しています。 

1973年、シューマッハーは、その著書『Small is Beautiful』のなかで初めてと自然資本という言葉を使いました。シューマッハーの言う自然資本とは、土、空気、水、動植物、そしてこれらが提供する生態系全体のことを指します。この生態系は人間や野生生物が受益者の信託基金のようなもので、わたしたちはこれなしに生きていくことはできません。 

生態経済学者のコンスタンザと研究チームは2011年に科学誌『Nature』に掲載された論文で、自然資本によるサービスの総額は少なくとも160兆ドル(約1京6,735兆円、インフレ調整済み)に上ると試算しました。これは数十年前から3倍以上に拡大しています。ただ一方で、自然生息地の減少や環境悪化によって毎年5兆から23兆ドル(約523兆〜2,407兆円)の自然資本が失われているとされてもいます。 

我々は知らず知らずのうちに依拠している自然の重要性を認識しなくてはなりません 

原文論文はこちらから

2. 世界初のグローバル通貨?

ノルウェーの政府系ファンド(SWF)であるノルウェー政府年金基金の成長率が、石油とガスを背景に、ノルウェーのGDPを上回っていることから、クローネは自国の経済ではなく世界市場の変動によって価値が決まる初めての通貨になる可能性があります。 

クローネが投資家の注目の的になることはないでしょうが、この通貨の力によって、先進的なスカンジナビアの国であるノルウェーが、グリーンエネルギーやインフラプロジェクトの有力な出資者になる可能性が指摘されております。 

原文記事はこちらから

3. 激動の石油価格の1年を振り返る

2020年の石油価格の変動は歴史に残るほど異常なものでありました。その1年を特徴的な出来事を見ることで振り返りましょう。 

  • 2020年3月:世界経済が冷え込む中、サウジアラビアとロシアは石油減産に合意できず、一夜にして価格が30%下落 
  • 2020年4月20日:石油価格が史上初のマイナスに 
  • 2020年6~7月:OPECの減産が沈静化するにつれ、価格は上昇するも、40ドル前後で停滞。これはOPECの意図するものです。(このように、世界の原油の供給を引き締めたり緩めたりすることで、石油の価格を事実上コントロールしています) 
  • 2020年11月9日:ファイザー社がCOVID-19ワクチンの臨床試験成功の発表を受け、石油会社の株と石油価格が高騰。 
  • 2021年2月8日:原油価格が初めてパンデミック緯線の水準に戻る。 

世界で最も価値のある商品である石油の価格について、このように振り返ることだけでもこの1年がいかに特別なものであったかがわかりますね。 

本日は以上の3本の記事を紹介させて頂きました。今後はこちらで毎週プライシングに関する記事を発信していきますので、ぜひご覧ください!

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