米動画配信サービスのネットフリックスは20日の米株式市場で35%安と2004年以来の大幅下落で終了しました。1日で時価総額540億ドル(日本円で約6兆9000億円)を失いました。会員数が減少に転じた衝撃と、長年拒否してきた広告付きプランを導入する計画が嫌気され、投資家に罰せられた格好と言えます。
ネットフリックス株の年初来のパフォーマンスはS&P500種株価指数とナスダック100指数の双方の構成銘柄で最悪となりました。衝撃の余波はメディア業界全体に及び、ワーナー・ブラザーズやディスカバリー、ロクなども下げました。
ネットフリックスは会員数減少に歯止めをかけ、同社の好調期は終わったとの投資家の懸念を解消する方法を探っています。同社共同創業者のリード・ヘイスティングス氏は長年、広告を表示したくない考えを示し、パスワード共有も全く問題ないとしていました。
しかし1-3月(第1四半期)のストリーミング会員数が20万人の純減と2011年以来のマイナスとなり、ネットフリックスは方針を転換しました。4-6月(第2四半期)にはさらに200万人減少が見込まれており、これまで年間2500万人超のペースで会員を増やしていた同社にとって大きな挫折となりました。同社は会員数減少への対応で映画やテレビ番組への支出を抑制する方針です。
モフェットネイサンソンのアナリスト、マイケル・ネイサンソン氏は「とにかくショックだ」と語っています。「この5年間かけて同社が説得しようとしてきたことすべてが、1四半期で放棄された。まさに180度の方針転換だ」と述べました。
投資家やアナリスト、エンターテインメント業界幹部はネットフリックスの今年のスタートが振るわないとみていたが、それでもウォール街は1-3月期の会員数を250万人増と予想していました。
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