ダイナミックプライシングとバリアブルプライシングの違いとは?

ダイナミックプライシングとバリアブルプライシング

先日、ダイナミックプライシングに関する記事を執筆致しました。

今回の記事では、そのダイナミックプライシングと混同されることの多いバリアブルプライシングについて説明します。
ダイナミックプライシングと比較しながら解説しますので、共通点と相違点を理解いただけると幸いです。

ダイナミックプライシングとバリアブルプライシングの共通点

ダイナミックプライシングとバリアブルプライシングの共通点は、どちらも収益の増加を目的に一つの物に複数の価格付けをする仕組みであることです。
弊社(ダイナミックプラス社)では価格付けの種類を以下の図のように整理しております。

ダイナミックプライシングと「一物多価」の関係図。「一物一価」とはつの物に単一の価格のみが存在することを意味。そこから派生して誕生したのが「多物一価」と「一物多価」。「多物一価」とは複数の物を一つ価格で販売すること。一方「一物多価」とは一つの物を複数の価格で販売すること。そしてこの「一物一価」に含まれるのが、ダイナミックプライシングとバリアブルプライシング。「一物多価」の価格付けを導入することで、収益増加を実現できます。

ダイナミックプライシングとバリアブルプライシングはどちらも「一物多価」という価格付けの種類に含まれます。
「一物多価」とは一つの物を複数の価格で販売することです。
「一物多価」を導入するメリットは以下の記事で説明しておりますので、ご参照ください。

ダイナミックプライシングとバリアブルプライシングは、一つの物に複数の価格付けをする近い仕組みだということがわかりました。
それでは、次にダイナミックプライシングとバリアブルプライシングの相違点を明らかにしましょう。

ダイナミックプライシングとバリアブルプライシングの相違点

続いて、ダイナミックプライシングとバリアブルプライシングの相違点を述べます。
結論、相違点着目する価値の差です。
ダイナミックプライシング販売期間中の同一物の価値の差に着目します。
一方、バリアブルプライシング販売物内の価値の差に着目します。
ここでは、ホテルの1室を例にとり説明します。

一物一価

固定価格を示すグラフ。時間軸に対して、価格が一定。

ここでは価格を縦軸、時間を横軸にとって、説明します。
あるホテルの1室を固定単一価格「8」で販売していたとします。

一物多価

ダイナミックプライシング

ダイナミックプライシングを示すグラフ。時間軸に対して、価格が変動する

ダイナミックプライシングでは、左のグラフのように販売期間中に、ホテルの1室を別価格で販売します。
グラフでは、販売期間が経つごとに値段が高くなっています。
これは、宿泊日の2週間前あたりから需要が高くなることを反映しています。

バリアブルプライシング

バリアブルプライシングを示すグラフ。例では、平日価格と休日価格の2種類の価格。時間軸に対して、それぞれの価格は一定。

バリアブルプライシングでは、左のグラフのようにホテルの1室を宿泊日ごとに2種類に分けて、別価格で販売します。
グラフでは休・祝日を価格「12」と高めに、平日を価格「6」と低めに設定しています。
これは、休・祝日の需要が高くなることを反映しています。

ダイナミックプライシング × バリアブルプライシング

ダイナミックプライシング×バリアブルプライシングを示すグラフ。例では、平日価格と休日価格の2種類の価格が、時間軸に対して、変動する。

ダイナミックプライシングとバリアブルプライシングは併用可能です。
左のグラフのように、これまで固定単一価格で売っていたホテルの一室を、宿泊日ごと、また販売期間中に別価格で販売できます。
これにより、さらに需要に適応した機会損失のない販売を行うことが可能です。

ダイナミックプライシングの強み

最後にバリアブルプライシングと比較した時の、ダイナミックプライシングの強みを紹介します。
ダイナミックプライシングの強みは、販売期間中の需要の変化に対応できることです。
あるホテルが、需要を正確に予測し、需要曲線に沿って3種類のバリアブルプライシング「4」「8」「12」で4部屋ずつ販売していたとします。
しかしある日急に、有名人がそのホテルの写真をSNSに投稿し、人気が上昇したとします。

バリアブルプライシングで販売している際に、需要が高まる例を示すグラフ。

その時バリアブルプライシングでは固定価格で販売しており、対応ができません。
さらに、販売量も4部屋ずつで余裕がない時、機会損失が生まれてしまいます。

バリアブルプライシングで販売している際に、需要が高まった場合、機会損失が生まれることをを示すグラフ。

一方、ダイナミックプライシングでは価格が需要に合わせ、上昇するので機会損失なく、収益を上昇させることができます。

需要が高まった場合に、ダイナミックプライシングで機会損失を防ぐことができることを示すグラフ。バリアブルプライシングで販売している際に、需要が高まった場合、機会損失が生まれる。

このようにダイナミックプライシングでは、販売期間中の急な需要の変化にも対応することが可能です。

ダイナミックプライシングとバリアブルプライシングとは...

この記事では、ダイナミックプライシングとバリアブルプライシングについて説明しました。
ダイナミックプライシングとバリアブルプライシングはどちらも、一つの物に複数の価格付けをする仕組みであり、収益増加に貢献できます。
相違点は、着目する価値の差でした。
ダイナミックプライシングは、販売期間中の同一物の価値の差に着目します。
一方、バリアブルプライシングは、販売物内の価値の差を着目します。
両者は、二者択一というわけではなく併用できます
両者を組みわせて、効果的に利用することで収益に大きな影響を与えることができます。

最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事が皆様の、ダイナミックプライシングとバリアブルプライシングのより深い理解に繋がれば幸いです。

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