

今回は
株式会社京都パープルサンガマーケティング部
部長 福成 忠様
株式会社京都パープルサンガマーケティング部
マーケティング課 チケット・ファンクラブ係
野田 圭吾様
2名に導入に至った経緯についてお話いただきました。
Q1. ダイナミックプライシング導入前、どのような課題がありましたか?
一番の課題は、「試合ごとのチケットの価値が本当に適正価格で販売できているのか」という点でした。
例えば、
・ダービーや、リーグ戦において重要な試合は、非常に売れる
・一方で、需要が落ち着く試合は販売が伸び悩む
この差は明確にありました。
また、同じ「売れている試合」でも、完売はせずに売れ残る試合、完売する試合では、当然価値は違います。
さらに、以前は北側(ホーム側)と南側(ビジター側)の販売のスピードが異なることにうまく対応できていませんでした。

Q2. フレックスプライシングでは解決できませんでしたか?
2025シーズンからA価格・B価格のフレックスプライシングを導入しました。
ただ、チケット販売よりもかなり早いタイミングで価格を発表する必要があり、
試合当日の
・チーム順位
・対戦相手の状況
・天候
・シーズン終盤の盛り上がり
などが読めない段階でフレックスプライシングを設定する必要がありました。
結果として、我々の予測と実際の需要に乖離が発生するケースもありました。
早い段階で価格を決めざるをえず、適正な価格で販売できているのかというところが課題でした。
Q3. ダイナミックプライシング導入時の懸念はありましたか?
正直なところ、
・価格が上がりすぎないか
・サポーターの皆様に混乱を起こさないか
という懸念はありました。
特に「DP=値上げ」という印象を持たれる可能性は心配していました。
そのため、スタジアム規模が近いクラブの導入事例や継続状況を確認しながら検討を進めました。
Q4. トライアルでは何を検証しましたか?
清水エスパルス戦と川崎フロンターレ戦の2試合でトライアルを実施しました。
主な検証ポイントは:
1.AI算出価格が適切かどうか
2.価格変動が極端にならないか
3.サポーターの反応
4.チケット単価・売上への影響
でした。

Q5. 実際にトライアルを実施してどうでしたか?
一番良かったのは、席種別に、その日の適正価格で販売できたことです。
特に北側と南側で売れ方が違う中、
同じ席種名・同じ標準価格でも、北側と南側で実際の需要に応じた価格設定ができました。
需要が高い試合や席種は販売初日から非常に売れ行きが良く、
価格も需要に合わせて上昇しました。
「こちらが想定していたような価格の動きになっているな」という手応えはありました。
Q6. 本導入を決めた理由はどのような点ですか?
最大の理由は、各試合・各席種を、その時点での適正価格で販売したいという点です。
25シーズン終盤のトライアルを実施していなかった試合では、一般発売初日に売り切れてしまう試合もあり、行きたかったけど買えなかったかったというお声をいただきました。
売上を上げることももちろん重要ですが、現時点では来場者数をより重視しています。来場者が多いということは、多くの方に納得した価格で購入いただいているということだからです。
Q7. 導入検討時に、DP社からの提案で役に立ったものはありましたか?
後押しになったのは、他クラブの事例共有です。
特に、
・スタジアム規模が近いクラブ
・境遇が似ているクラブ
・ベンチマークしているクラブ
の導入状況や運用方法を具体的に教えていただけたことは大きかったです。
それらの情報をもとに
・自分たちにも当てはまるのか
・導入することでどこに近づけるのか
という議論につながりました。
数字のシミュレーションというよりも自分たちと近いクラブのリアルな運用状況を共有してもらえたことが導入判断の後押しになったと思います。

Q8. 先行発売期間から価格変動を始めた理由は何ですか※?
2025年のトライアル時は一般発売開始より価格変動を開始、百年構想リーグでの本導入からファンクラブ先行販売より価格変動を開始
京都サンガF.C.では、ファンクラブ先行期間中に多くのチケットが販売されます。
その期間が固定価格だと、試合全体で「適正価格で販売できていない」状態になる可能性があると考えました。
そのため、本導入では先行販売期間中も価格変動させる運用に切り替えました。
Q9. 今後ダイナミックプラス株式会社に期待することはありますか?
主に2点です。
1.販売枚数・売上予測のさらなる精度向上
2.残席数だけでなく「座席の質(2名連席で座ることができるのか、4名連席で座ることができるのか等)」も加味した価格ロジック
より高度な需要予測に進化していくことを期待しています。
Q10. JリーグクラブにとってDPとはどのようなものだと考えていますか?
一概に「こういう効果があります」とは言いづらいと思います。
各クラブが抱えている課題にDPが合っているかどうかが重要です。
京都サンガF.C.にとっては、
売上最大化ツールというよりも、適正価格実現ツールという位置づけです。

まとめ
京都サンガF.C.様は、
・試合ごとの価値
・席種ごとの需要
・固定価格の限界
という課題に対し、ダイナミックプライシングを導入。
「その日の適正価格で販売する」という新たなチケット戦略を実現されています。
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